語源を訪ねる:古代ギリシャ(2) academy

大学の起源は古代ギリシャにまで遡る。彼のプラトンは「アカメディア(academeia)」と呼ばれる学問所を紀元前387年ごろアテナイに立ち上げた。これは、今日でも「アカデミー」や「アカデミック」の語源にもなっている。そして、この門には「幾何学を知らざる者、この門を入るべからず」と書かれた額が掲げられ、イデア認識の基盤として論証的学問の典型である幾何学の習得が重視されていた(プラトン自身、ピタゴラスから多大な影響を受けていた)。

アカデメイアで教育されていた主な科目は、算術、幾何学、天文学、音楽理論などで、これらは必修科目(「マテーマタ」と呼ばれ、ピタゴラス学派に由来する「学ばれるべきもの」という意味)になっており、この「マテーマタ」から「数学(mathematics)」が派生する。プラトンは数学を、「万物は数である」と喝破したピュタゴラスと同様に、宇宙を理解するための基礎的学問と考えていたのである。

(「科学哲学への招待」野家啓一 著 より)